ブレンディ#タグゴーはクラフトボスにはなれなかったのか?サントリーとAGFに習う食品開発戦略

業界分析

先日、クラフトボスの対抗勢力を飲み比べた結果を紹介しました。そんな中、飲み比べながら、私が切実に感じたことを記事に書きました。

AGFは、クラフトボスに最も近い存在であったはずです。ブレンディブランドでペットボトルコーヒーを長年販売しており、ペットボトルコーヒーのノウハウも蓄積されていたに違いありません。もっと早い段階で、現代社会に合うように設計できていれば、クラフトボスのようなブームを作り出せたかもしれません。非常に惜しいです。これが企業力の差でしょうか。サントリーは、チャレンジ精神が非常に強い会社ですので、結果としてその力に圧倒されてしまいました。

参照:【徹底比較】クラフトボス対抗勢力6社を飲み比べてみた。【レビュー編】

 

AGFから発売されたブレンディ#タグゴーは非常に完成度の高い商品でした。純粋に飲んでみた時も、目隠しで飲み比べた時も高評価でした。本当に美味しいんですよ。

 

しかもブレンディは、ペットボトルコーヒーとして長年人々に愛されてきたブランドです。

 

クラフトボスのように、現代社会にマッチしたペットボトルコーヒーを売り出すことはできなかったのでしょうか?

私見ですが、まとめてみました。

1.企業風土の差

サントリーは、チャレンジ精神が非常に旺盛です。企業ホームページにも明記されています。

サントリーにとって最も大切な経営資源はそこで働く社員、すなわち「人財」です。「やってみなはれ」という言葉に象徴されるように、私たちサントリーには、社員が自由闊達に新たなテーマにチャレンジできる社風があります。そして、こうした風土が活力ある企業活動を生み出す原動力となっています。それは、とりもなおさず社員個々人の多様な能力を認め、引き出し、活かし続けることであり、それこそがサントリーらしさであると考えています。

参照:サントリーホームページ

 

私も知人にサントリー社員がいますが、まさしくアグレッシブでチャレンジ精神旺盛な人たちばかりです。少し変人も多いのですが、変なことを許容する、むしろ歓迎する企業風土があると思います。下手に保守的な大企業との差が大いに現らわれている部分です。

 

一方、AGFの企業風土もホームページから垣間見えます。

従業員一人ひとりがいきいきと働き、能力を発揮・成長することこそが、会社の成長・活力の源と考え、人財育成と健康的で働きやすく・働き甲斐のある職場づくりを目指しています。

参照:AGFホームページ

 

素晴らしい!他にも、社員の教育プログラムが事細かに書かれています。ロジカルシンキング、タイムマネジメント、コーヒー検定などなど。良い企業であることは疑いようがありません。

 

しかし、あえて粗を探すならば、日本的なお堅い企業です。教育プログラムなどがきっちりしている分、型にハマったタイプの人材が多くなりそうな印象です。内通者ではないので、ホームページから見た印象論にすぎませんが。

 

柔軟なサントリー、どちらかと言えばお堅いAGFの機動力の差は影響していそうです。

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2.研究開発力の差

日本の従業員数を比較しました。

サントリー:約18,000名(世界では、約38,000名)
AGF:約1,400名

圧倒的な差です。もちろん、工場の数や規模に影響を受けますが、研究開発員の人数も下手すると10倍くらい差がある可能性もあります。

 

研究開発は一般的に、学術的な基礎研究、次世代の商品開発の布石を打つ応用研究、実際の商品を作る商品開発に分けることができます。研究開発力がある、資金的な余裕がある企業ほど、基礎研究や応用研究にリソースを割くことができます。

 

そういう意味では、飲料業界で国内最大手のサントリーと飲料の中のコーヒー業界で大手のAGFとでは、研究開発力の差は一目瞭然です。

 

長期的な目線で商品開発をする余裕のあるサントリーの方が、今まで市場にはなかったような商品を開発する力があります。

 

研究開発員の人数も資金も余裕が少ないAGFでは、今ある商品を大切にする傾向になるのは必然です。全く新しい何かを作り出すことにリソースを割く力は少ないでしょう。無駄になるかもしれないことにリソースを割く余裕はないのです。

 

市場価値があると明らかであれば、そこにリソースを割くことができます。今回のクラフトボスのように、ペットボトルコーヒーの需要が急激に伸び、購買層もある程度明確であれば、そこに全力を尽くすだけです。コーヒーの研究開発の地力は十分にあるので、方向さえ決まれば、質の高い商品を開発するのはお手の物でしょう。

道があればそこを通る、道なき道を通る余裕はない。そんなAGFの研究開発方針が垣間見えます。

 

したがって、研究開発力の差が、サントリーに後れを取った一因になりそうです。

 

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まとめ

以上より、企業風土・研究開発力の差が、サントリーとAGFの明暗を分けたと結論付けました。商品の質に関しては、両者とも申し分ないです。美味しいと自信を持って紹介できる商品です。

それだけに、初動の差がこれほどまでに売上げに影響したと考えると、商売って難しいなと感じますね。商品を開発しても、マーケティングという次なる壁も待っていますからね、美味しいのに市場に埋もれている商品なんていくらでもあります。サントリーは、美味しさを作り出し、それを世の中に発信する力も十分に備えていたということです。

 

飲み比べ時に抱いた「ブレンディならクラフトボスになりえたのか?」という疑問は解消されました。おそらくサントリーでなければ無理だったのです。

AGFがブレンディブランドを利用しても、クラフトボスのような市場を開拓する力はなかったでしょう。サントリーおそるべし、です。

 

ここ数年、コーヒー産業が賑わいを見せています。コーヒーの消費量も増加傾向にあるようです。無類のコーヒー好きとしては、企業の競争でコーヒーがどんどん美味しくなるのを楽しみにしています。

 

 

今後ともコーヒー業界に幸あれ!

 

以下、今回の記事の基となった資料です。

【徹底比較】クラフトボス対抗勢力6社を飲み比べてみた。【官能評価編】

【徹底比較】クラフトボス対抗勢力6社を飲み比べてみた。【レビュー編】

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