食品企業における商品開発職の役割ー商品開発の流れとともにー

業界分析

食品企業を志す方は必ず憧れるであろう商品開発。自分の作った商品をたくさんの人に食べてもらうのは、この上ない幸せでしょう。そんな幸せ・喜びを手にするために、商品開発職の方は並々ならぬ苦労をしています。

 

商品開発はどのような流れで行われるのか?食品メーカーの開発の裏側をご紹介します。

 

商品開発の大きな流れは以下の通りです。

  1. 開発コンセプトを決める
  2. ラボでレシピを決める
  3. 工場で生産体制を整える 

 

食品メーカーの商品開発部は料理人と同じ

ラボにおける商品開発は、あなたが家で料理を作るのとほとんど同じです。何を作るか、どんな材料を使うか、どのように料理するか・・・。料理を企業レベルで行っていると考えるとイメージしやすいと思います。順に流れを追っていきましょう。

 

1.開発コンセプトを決める

まずは何を開発するかを決めます。オレンジピール入りのチョコレート、ミント入りのアイスクリーム、飛びっきり辛いカレー、コクの深いコーヒー、など、商品アイデアは無限にあるでしょう。

 

ここで決めたコンセプトが開発目標になるので、非常に大事なプロセスです。何を開発するかは、開発者の気分で決めているわけではありません。実は、商品開発部の担当者に商品コンセプトの決定権がない場合も多いです。

 

開発コンセプトは、“市場調査”によって決められます。どんな商品の需要があるかを分析してから決められます。市場調査は非常に難しいです。分析すればヒットする商品ができるわけではありません。

したがって、多くの企業では専門の部署を作っています。市場調査とともに、広告戦略などの商品戦略を練るいわゆる“マーケティング”です。マーケティングも非常に奥が深いですよね。

  

例)市場調査による開発コンセプトの決定「クラフトボス」

例えば、ペットボトルコーヒーのクラフトボス。コーヒーを開発するにあたって、マーケティング部が市場調査を行います。その結果、以下のようなことが分かります。

・スッキリした味わいのコーヒーは市場にない。

・オフィスワーカーはお茶や水をチビチビ飲みながら仕事をする。

この結果をもとに、オフィスワーカーに飲んでもらえるようなスッキリとしたコーヒーを作ろう!というように、開発コンセプトを決めます。この結果を商品開発部に知らせて、商品開発が始まります。

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2.ラボでレシピを決める

開発コンセプトが決まれば、何の材料をどれくらい使ってどのように作るか、レシピを考えます。ここが、商品開発部の腕の見せ所ですね。

 

2-1.材料を選ぶ

普通の料理と異なる点が材料選びです。食品の裏側の原材料を見てみてください。知らない単語がたくさんあるかもしれません。しかし、決して怪しいものではなく、企業レベルで美味しい商品を作るには必要なものばかりです。もちろん、安全性は国が保証しています。

 

食品添加物と称されるものもあります。食品添加物を使わなくても美味しく安全であれば、それに越したことはありません。しかし、現実問題そうはいきません。この辺りは本筋から外れるので、別記事でまとめようと思います。

 

材料選びはBtoB企業に相談

何を使うか?

どこから買うか?

 

この2つは非常に大きな課題になります。普通は今まで付き合いのあるB to B企業に相談するでしょう。そこで満足いく素材が見つからなければ、他の企業から探すこともあるでしょう。

 

材料選びは、あなたが料理をする時に、行きつけのスーパーマーケットに行くのと同じです。そこにない材料やもっと良い材料を使いたければ、一駅先のデパートに寄ってみることもあるでしょう。

 

2-2.試作する

材料が決まれば、それを使って商品を作ってみます。家庭料理やレストランくらいの小規模で作られます。いわゆるラボスケールと呼ばれます。

 

思った通りの商品ができるまで試行錯誤を繰り返します。商品開発の最も大変な仕事の一つです。試行錯誤の中で、材料の配合比を変えたり、火の淹れ方を変えたり、そもそも材料を考え直したりと、考えることが非常に多いです。

 

商品コンセプトを決めたマーケティング部とも話し合いながら、味の修正を行います。試作品に対して、消費者調査が行われることもあります。アルバイトなどで募集したモニターに実際に食べてもらい、味を評価してもらいます。評価基準や判断基準は、開発する商品ごとに異なります。ここでゴーサインがでれば、晴れて工場での大量生産を検討できます。

 

3.工場で生産体制を整える

ラボで合格点を得られたら、次は工場で生産する準備が必要です。工場規模で生産できるようにすることを、業界ではスケールアップと言われています。規模をだんだん大きくして同じレシピで商品を試作します。

 

この辺りになると家庭では想像できないレベルになってきます。大きなスケールで食品を作るのは、企業で商品開発をする醍醐味の一つとも言えますね。

 

3-1.スケールアップで起こる問題

規模を大きくすると、ラボでは起こらなかった問題が必ず起こります。生地が上手く混ざらない、よく分からない固形分が出てくる、熱が上手く通らない、などなど。

 

したがって、一口にスケールアップと言っても、実に難しい課題です。商品開発部にとって、最大の壁とも言えます。ここを乗り越えれば、商品開発部の仕事はほぼ終わりです。しかし、スケールアップで商品化を断念せざるを得ないこともあります。

 

スケールアップの課題を解決するには、新しい設備が必要になることもあります。新しい設備を買うには莫大なコストがかかります。億単位のコストが発生することもザラです。コストに見合わない商品は、開発を断念することもあります。

 

スケールアップを円滑に進めるために、生産技術部”のようなスケールアップ専門の部署もあります。商品開発部と生産技術部が力を合わせて、最大の壁を乗り越えます。

 

スケールアップをクリアすれば、工場移管です。実際に、工場で生産できるように、生産現場の方たちと製造のコツや注意点を共有します。

 

完成

商品コンセプトにあった商品を工場規模で生産できるようにして、見事完成です。これに並行して、商品名・パッケージ・品質試験・特許などの課題もあります。これらにも専門の部署があることがほとんどです。

 

まとめ

商品開発の流れを少しでもイメージできたでしょうか?商品開発には、たくさんの部署が関わってることが想像できたと思います。レシピを作る料理人のような仕事をやりたい!という方は、是非商品開発部を目指して頑張ってください!

 

その他のサポート部署にも大きな役割があります。企業ならではの役割も多数存在します。そのことも理解した上で、実際の食品企業を見てみると理解が深まると思います。

 

ちなみに、大企業ほど分業化が進んでいます。商品開発であれもこれもやってみたい!という方は、中小企業の方がやりがいを感じられるかもしれません。

 

それでは!

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